ジョジョの奇妙な冒険第6部「ストーンオーシャン」のラストシーンは、多くのファンの間で議論を呼んでいます。全員死亡とも取れる展開や、時間加速による世界の一巡など、複雑な設定が絡み合い、「ひどい」という評価を受けることもあります。しかし、この結末には荒木飛呂彦先生の深い意図が隠されているのではないでしょうか。
ジョルノ・ジョバァーナの不在や、承太郎の死亡、そしてエンポリオだけが生き残る展開など、多くの疑問点が残されています。また、連載終了時の荒木先生の体調不良説なども囁かれ、ファンの間では様々な憶測が飛び交っています。この記事では、ジョジョ6部のラストがなぜ「ひどい」と評価されるのか、そしてその裏に隠された真意について詳しく解説していきます。
この記事のポイント！
- ジョジョ6部のラストが「ひどい」と評価される主な理由
- 承太郎の死や全員死亡の展開に込められた意味
- エンポリオだけが生き残る結末の真意
- 荒木先生が描きたかった「ストーンオーシャン」の本当のテーマ
ジョジョ6部のラストがひどいと言われる理由
- 承太郎の死に方に納得できない声が多い
- 全員死亡のバッドエンドに落胆する読者も
- エンポリオだけが生き残る展開に違和感
- 時間加速の設定が複雑で理解しづらい
- ジョルノの不在に疑問を感じるファンも
- 連載終了時の荒木先生の体調不良説
承太郎の死に方に納得できない声が多い
ジョジョ6部のラストで最も批判を集めているのが、空条承太郎の死に方です。シリーズを通じて「最強」のイメージが定着していた承太郎が、プッチ神父との戦いであっけなく敗れてしまいます。多くのファンは、この展開に納得がいかないようです。
承太郎は第3部の主人公であり、その後も重要な脇役として物語を支えてきました。そんな彼が、娘の徐倫を守るために命を落とすという展開は、確かに衝撃的でした。しかし、この死には深い意味があるのです。
承太郎の死は、ジョースター家の宿命との決別を象徴しています。これまで代々受け継がれてきた「DIOとの戦い」という宿命から、次世代を解放するための犠牲だったとも解釈できます。また、娘を守るために命を捧げるという行為は、承太郎の成長を表現しているとも言えるでしょう。
ただし、承太郎ファンにとっては、やはりこの展開は受け入れがたいものだったようです。「最強の男」のイメージが崩れてしまったことに、多くの読者が失望したのも事実です。
全員死亡のバッドエンドに落胆する読者も
ジョジョ6部のラストでは、主要キャラクターがほぼ全員死亡してしまいます。これは、シリーズ史上最も悲惨な結末と言えるでしょう。多くの読者は、このバッドエンドに強い衝撃を受け、落胆したようです。
全員死亡という展開は、確かに重苦しい印象を与えます。しかし、この結末には深い意味が込められています。キャラクターたちの死は、プッチ神父の「天国」計画を阻止するための犠牲だったのです。彼らの死によって、新たな世界が生まれる契機となったとも言えます。
また、この展開は「運命」というジョジョシリーズ全体のテーマとも密接に関わっています。キャラクターたちは自らの意思で運命に立ち向かい、最後まで戦い抜きました。その結果、世界は一巡し、新たな可能性が生まれたのです。
ただし、多くの読者にとっては、やはりこの結末は受け入れがたいものだったようです。特に、お気に入りのキャラクターの死に直面し、強いショックを受けた人も少なくありません。
エンポリオだけが生き残る展開に違和感
ジョジョ6部のラストで、唯一生き残ったのがエンポリオという展開に、多くのファンが違和感を覚えています。主人公の徐倫でも、ベテラン戦士の承太郎でもなく、なぜ少年のエンポリオだけが生き残ったのか。この疑問は、多くの読者の心に残りました。
しかし、エンポリオが生き残ったことには重要な意味があります。彼は、ジョースター家の「黄金の精神」を受け継ぐ存在なのです。徐倫たちの意志を引き継ぎ、最後にプッチ神父を倒したのはエンポリオでした。この展開は、「意志の継承」というジョジョシリーズのテーマを体現しているのです。
また、エンポリオが生き残ったことで、新しい世界への希望が示されました。彼は、一巡した世界で唯一、過去の記憶を持つ人物です。この設定は、次の世代へとストーリーを繋ぐ役割も果たしています。
ただし、多くの読者にとっては、主要キャラクターが全滅し、脇役のような存在だったエンポリオだけが生き残るという展開は、やはり納得しがたいものだったようです。この点が、ジョジョ6部のラストが「ひどい」と評価される一因となっています。
時間加速の設定が複雑で理解しづらい
ジョジョ6部のラストで描かれる「時間加速」の概念は、多くの読者にとって理解が難しいものでした。プッチ神父のスタンド能力「メイド・イン・ヘブン」によって引き起こされる世界の一巡は、非常に複雑な設定です。この難解さが、ラストシーンの評価を下げる一因となっています。
時間加速によって、世界は一巡し、新たな歴史が始まります。この過程で、キャラクターたちの運命も大きく変化します。しかし、この設定の詳細な説明が不足していたため、多くの読者が混乱してしまいました。「何が起こったのか分からない」という声も少なくありません。
また、時間加速の影響で、これまでの物語がリセットされてしまうような印象を与えてしまいました。これは、長年ジョジョを追いかけてきたファンにとっては、非常にショッキングな展開だったのです。
ただし、この複雑な設定には、荒木先生の深い意図が隠されています。時間加速は、「運命」や「因果律」といったジョジョシリーズ全体のテーマと密接に関わっているのです。理解は難しいですが、じっくりと考察することで、新たな解釈が生まれる可能性もあります。
ジョルノの不在に疑問を感じるファンも
ジョジョ5部の主人公であるジョルノ・ジョバァーナが、6部のストーリーに登場しなかったことに疑問を感じるファンも多くいます。特に、ラストバトルでジョルノが登場し、その強力なスタンド能力「ゴールド・エクスペリエンス・レクイエム」で局面を打開するのではないかという期待がありました。
しかし、結果的にジョルノは物語に一切登場せず、その存在すら言及されることはありませんでした。これは、多くのファンにとって大きな失望となりました。ジョルノの能力は、プッチ神父の「メイド・イン・ヘブン」に対抗できる可能性があったにもかかわらず、その機会が与えられなかったのです。
ジョルノの不在については、様々な憶測が飛び交っています。例えば、ジョルノの能力が強すぎるため、ストーリー展開上扱いづらかったのではないかという意見があります。また、荒木先生が意図的にジョルノを登場させなかったという説もあります。
ただし、ジョルノの不在には別の解釈も可能です。それは、各部の主人公たちがそれぞれの物語で完結しているという考え方です。ジョルノは5部で自身の物語を完結させており、6部に登場する必要はなかったという見方もできるのです。
連載終了時の荒木先生の体調不良説
ジョジョ6部の連載終了時、荒木飛呂彦先生の体調不良説が囁かれていました。この噂が、ラストの評価に影響を与えている可能性もあります。荒木先生の体調が優れなかったため、十分な時間をかけてラストを描くことができなかったのではないか、という憶測が広まったのです。
しかし、この説には明確な根拠がありません。荒木先生本人や出版社から、体調不良に関する公式な発表はありませんでした。むしろ、荒木先生はジョジョ6部終了後すぐに「スティール・ボール・ラン」の連載を開始しており、精力的な活動を続けています。
体調不良説が広まった背景には、ファンの戸惑いがあったのかもしれません。複雑な展開や予想外の結末に直面し、「何か事情があったのではないか」と考えた読者も多かったのでしょう。
ただし、これはあくまで噂に過ぎません。ジョジョ6部のラストは、荒木先生が意図的に選んだ展開である可能性が高いのです。むしろ、この複雑で衝撃的な結末こそ、荒木先生の創作意図を反映したものだと考えるべきでしょう。
ジョジョ6部のラストがひどいと評価されるが実は深い意味がある
- 黄金の精神の継承を表現したエンディング
- 新たな世界の誕生を示唆する結末
- プッチの野望を阻止した勝利のラスト
- ジョースター家の宿命に決着をつけた完結編
- 7部につながる伏線としての役割
- 荒木先生の世界観を集大成した最終章
黄金の精神の継承を表現したエンディング
ジョジョ6部のラストは、一見すると全滅エンドのように見えますが、実は「黄金の精神」の継承を表現したエンディングなのです。主人公たちが死亡しても、その意志はエンポリオに受け継がれ、最終的にプッチ神父を倒すことができました。
この展開は、ジョジョシリーズ全体のテーマである「意志の継承」を体現しています。徐倫たちの犠牲は無駄ではなく、次の世代へと受け継がれていくのです。エンポリオが最後に見せた勇気と決断力は、まさにジョースター家の精神そのものでした。
また、この結末は読者に対して「希望」のメッセージを送っているとも言えます。たとえ世界が一巡しても、人々の意志や精神は消えることはありません。新しい世界でも、きっと正義は受け継がれていくのです。
しかし、この深い意味を理解するには、ジョジョシリーズ全体のテーマを把握している必要があります。そのため、一部の読者にとっては「ひどい」結末に感じられてしまったのかもしれません。
新たな世界の誕生を示唆する結末
ジョジョ6部のラストは、世界の一巡によって新たな世界が誕生することを示唆しています。これは単なる「リセット」ではなく、新しい可能性に満ちた世界の始まりなのです。
プッチ神父の野望は挫かれましたが、その結果として生まれた世界は、DIOの呪縛から解放された場所となりました。これまでのジョジョシリーズを通じて続いてきた「ジョースター家とDIOの因縁」に、ついに決着がついたのです。
新しい世界では、登場人物たちの運命も変化しています。例えば、徐倫に似た「アイリン」が登場しますが、彼女はジョースター家の宿命に縛られることなく、自由に生きています。これは、キャラクターたちが新たな可能性を手に入れたことを意味しているのです。
ただし、この「新たな世界の誕生」という概念は非常に抽象的で、理解が難しいものでした。そのため、多くの読者が混乱し、「ひどい」結末だと感じてしまったのかもしれません。
プッチの野望を阻止した勝利のラスト
ジョジョ6部のラストは、一見すると主人公側の敗北のように見えますが、実はプッチ神父の野望を完全に阻止した勝利のエンディングなのです。プッチの目的は、全人類に「運命」を受け入れさせる「天国」を作ることでしたが、それは最終的に達成されませんでした。
エンポリオがプッチを倒したことで、世界は完全に一巡する前に新たな軌道に乗りました。これにより、プッチの思い描いた「天国」は実現せず、人類は自由な意志を持ったまま新しい世界を迎えることができたのです。
この結末は、「運命に抗う」というジョジョシリーズ全体のテーマとも合致しています。キャラクターたちは最後まで諦めず、自分たちの意志で運命を変えようと戦い抜きました。その結果、プッチの描いた「絶対的な運命」のある世界は回避されたのです。
ただし、この「勝利」は非常に犠牲の大きいものでした。多くの主要キャラクターが命を落とし、世界そのものが大きく変わってしまいます。この犠牲の大きさが、一部の読者に「ひどい」結末だと感じさせてしまったのかもしれません。
ジョースター家の宿命に決着をつけた完結編
ジョジョ6部のラストは、ジョースター家とDIOの長年にわたる因縁に決着をつけた完結編と言えます。第1部から続いてきた「ジョースター家の宿命」というテーマが、ここで一つの区切りを迎えたのです。
プッチ神父はDIOの遺志を継ぐ存在でしたが、彼が倒されたことで、DIOの影響力は完全に断ち切られました。新しい世界では、ジョースター家の人々はこの宿命から解放され、自由に生きることができるようになったのです。
この結末は、シリーズ全体の大きな節目となっています。長年にわたって描かれてきたジョースター家の物語が、ここで一つの完結を迎えたのです。これにより、次の世代の物語へとバトンが渡されることになりました。
しかし、この「決着」の形に納得できない読者も多くいました。特に、承太郎の死や世界の一巡という大きな犠牲を払ってまで、この決着をつける必要があったのかという疑問の声も上がっています。
7部につながる伏線としての役割
ジョジョ6部のラストは、次の第7部「スティール・ボール・ラン」へとつながる重要な伏線としての役割も果たしています。世界の一巡によって生まれた新しい世界は、7部の舞台となる平行世界へとつながっているのです。
6部のラストで描かれた「新しい世界」の概念は、7部で描かれる「別の時間軸の世界」という設定の布石となっています。これにより、荒木先生は新たなジョジョワールドを展開する基盤を作り上げたのです。
また、6部で描かれた「運命」や「意志の継承」といったテーマは、7部でも重要な要素として引き継がれています。6部のラストは、単なる一つの物語の終わりではなく、新たな物語の始まりを示唆する役割も果たしているのです。
ただし、この「7部への伏線」という側面は、6部を読んだ時点では分かりづらいものでした。そのため、多くの読者にとっては唐突で「ひどい」結末に感じられてしまったのかもしれません。
荒木先生の世界観を集大成した最終章
ジョジョ6部のラストは、荒木飛呂彦先生のこれまでの世界観を集大成した最終章と言えます。「運命」「意志の継承」「正義」といった、ジョジョシリーズを通じて描かれてきたテーマが、ここで一つの形となって表現されています。
世界の一巡や時間の加速といった複雑な概念は、荒木先生の独特の世界観をよく表しています。また、キャラクターたちの犠牲や新しい世界の誕生といった展開も、荒木先生らしい大胆な発想から生まれたものです。
この結末は、荒木先生が長年にわたって築き上げてきたジョジョワールドの集大成とも言えるでしょう。1部から6部までの物語を通じて描かれてきた思想や哲学が、ここで一つの形となって結実したのです。
しかし、この「集大成」としての側面は、一部の読者にとっては難解で受け入れがたいものだったかもしれません。荒木先生の意図を完全に理解するには、ジョジョシリーズ全体を深く読み込む必要があるからです。
総括：ジョジョ 6 部 ラスト がひどいと感じられるが実はそうではないまとめ
- 承太郎の死には深い意味がある
- 全員死亡は新世界誕生の契機となっている
- エンポリオの生存は意志の継承を象徴している
- 時間加速の設定は荒木先生の独特の世界観を表現している
- ジョルノの不在には物語上の意図がある可能性が高い
- 体調不良説は根拠のない噂である
- 黄金の精神の継承という重要なテーマが描かれている
- 新たな世界の誕生は、ジョジョシリーズの新たな展開を示唆している
- プッチの野望阻止は、主人公側の真の勝利を意味する
- ジョースター家の宿命に決着をつけた重要な完結編である
- 7部への伏線として機能している
- 荒木先生の世界観の集大成として評価できる
